毎月第1金曜日の午後4時30分から放送している『よもやま談義』

有馬玩具博物館の西田館長との何気ないお話。
毎回かんたんなテーマでスタートし、そしてあちらこちらに話がそれて・・・




2007年12月7日放送分
2007年12月21日 ≪ 前 半 ≫ ジャズ喫茶
2007年12月23日 ≪ 後 半 ≫ パイプ


2008年2月1日放送分
2008年 3月19日 ≪ 前 半 ≫ ジャパン
2008年 3月20日 ≪ 後 半 ≫ ドイツに行って来ます




門垣:ところで、ドイツではどのように過ごしていらっしゃるんですか。

西田:基本的に観光下手なんですよ。博物館の仕事を抱えていくというのが一番多いんです。自分の仕事もやりますけどね。今度行くのは、岡山の博物館と有馬の博物館と両方の仕事を抱えて行くのと、それから、ゾンネベルクという世界で初めてできたおもちゃの博物館があるんですね。来年そこで個展が決まっていまして、その打ち合わせもありますし。うまくいくと、オーストリアのザルツブルクの博物館で個展ができるんですね。そのザルツブルクの博物館の副館長さんと会う約束になっているんですよ。そんなこととか、幾つか仕事を抱えていきます。

門垣:その個展は全部からくりですか?

西田:そうです、そうです。

門垣:その都度やっぱり皆さんが求めていかれるから、それなりにまたお作りにならなきゃいけない?

西田:いや、実はね、ドイツにサイフェンという村がありましてね。そこ、人口約3,000人で、その内の約2,000人がおもちゃを作っているという村があるんですよ。



門垣:ええっ、すごいですね。

西田:すごい村です。

門垣:どんなおもちゃを作っているんですか。

西田:一番有名なのはくるみ割り人形。くるみ割り人形を初めて作った村なんですね。大変有名で、日本人も今、観光で結構訪れている村ですね。そこにおもちゃの博物館がありまして、今、作品を52点預けてあるんですよ。

門垣:もう既に。

西田:うん。去年、1年間そこで個展をやったんですね。実は52点、博物館の館長にプレゼントしているんです。全部あげると言って。そのかわり、ドイツとかイギリスとか、ヨーロッパで展覧会をやるときにはそこから貸してくださいと、そういう約束をしているものですから。



門垣:ああ、そうなんですね。先ほどおもちゃの博物館が初めて出来たとおっしゃいましたけど、そのおもちゃのルーツというのはどこなんですか。

西田:もう世界中ルーツですね。ただ、博物館としてはそのゾンネベルクというのが世界で初めてですね。すごいですよ、石造りのお城みたいな建物です。

門垣:どういうものがあるんですか。

西田:実はドイツには、おもちゃ街道というのがあるんですよ。

門垣:おもちゃ街道?それはどこにあるんですか。

西田:ニュルンベルクが起点なんですね。ニュルンベルクからずっと北に250キロぐらい、いろんな町があるんですけども、そこでテディベアを作っていたり、ブリキのおもちゃを作っていたり。ビスクドールと言うんですけども、頭が陶器でできている人形とか、それからあと、スタッフというか、詰め物をしたいわゆるぬいぐるみですね。いろんなメーカーがそこにずっと昔からあるんですよ。そのおもちゃ街道の終点に近いところにゾンネベルクというのがあるんです。だから、ゾンネベルクにはおもちゃ街道沿いで作られてきた昔からのおもちゃが全部集まっているです。そこは3回行っていますね。好きです。すっごい田舎ですけどね。でも、楽しいですよ。で、各町におもちゃの博物館があるんですよ。

門垣:それぞれにですか。

西田:それぞれにあるんですよ。ドイツ国内でおもちゃの博物館って、45軒ぐらいあるんです。



門垣:ええっ、そうなんですか。

西田:ドイツはおもちゃ王国ですね。

門垣:なぜでしょう?

西田:基本的に子どもの人権というのを初めて認めたのがドイツという国なんですよ。英語で幼稚園のことをキンダーガーテンというでしょう? あれ、もともとドイツ語なんですよ。キンダーガルテン、子どもの庭。それをやったのがフレーベルという人なんですね。昔、子どもというのは賃金の安い労働力だったんですよ。日本でもそうでしたね。

門垣:ええ。

西田:そうじゃない、子どもというのはちゃんと人格を持った人間なんだということを提唱したのがそのフレーベルという人なんです。で、キンダーガルテンというのを作って、子どもたちとそこで一緒に遊んだわけですよ。アメリカというのはいろんな民族の集合体ですから、アメリカには幼稚園という概念がなかったんですね。そこにドイツから移民としてやってきた人たちがキンダーガルテンをつくったわけです。

門垣:なるほど。



西田:子どもが成長していく過程において、おもちゃとか遊びというのは必要なんだということを説いたわけですね。そのフレーベルの理念に従ったおもちゃが作られる。また、シュタイナーという人も出てくるわけですね。そのシュタイナーの理念に沿ったおもちゃを作るメーカーとか職人がたくさんいるとか。だから、そういう国なんですよ、ドイツって。今はさほどでもないんですけれども、昔、ドイツという国は全世界に流通するおもちゃの30%をつくる国だったんです。

門垣:そうなんですか。

西田:それで、今度行くのはさっきのおもちゃ街道の起点であるニュルンベルクという町で、世界中のおもちゃのメーカーが大体2,500社ぐらい集まるメッセがあるんですよ。それを見に行くんです。

門垣:楽しそうですね。

西田:楽しみです(笑)。



次回もどうぞお楽しみに〜。