PAUL GILBERT SPECIAL INTERVIEW!!
ギター・インスト・アルバム第2弾「咆哮!!」のプロモーションで来日したPAUL GILBERT。
アルバムのこと、今まで気になっていたこと、そしてリスナーの皆さんからの質問を持って会って来ました。
―今日まで各地をプロモーションで回って来られましたが、反応はいかがでしたか?(福岡〜東京〜名古屋)
とってもよかったよ。前作が自分にとってはじめてのインストアルバムだったんだけど、ライブでやるまではヴォーカルで歌って伝えるのと同じようにギター一本で伝えられるか未知数だった。だけどいざやってみるとものすごく、自分が思っていた以上のすばらしい反応だったよ。どこよりも早く日本で聴いてもらえる
のが嬉しいね。
―会場に足を運んだファンの中には、ギタリストを目指しているファンも大勢いたと思います。トップ・ギタリストの立場から何かアドバイスをお願いします。
僕はパフォーマーであり作曲者でもあるんだけど、同時に教えることもたくさんやっているんだ。実際教えることがとても好きなんだ。僕は極力マンツーマンでその人の個性を活かしたいと思っている。やっぱり全てのギタープレイヤーが人間なので違うところがあるから、見て判断して、一人一人に的確なアドバイスをするようにしているんだ。グループだと個性の集まりになるので、まとめることになるんだけど、やっぱりアドバイスっていうのはその人その人によって変わってくるかな。
たぶん僕が言える最高のアドバイスっていうのは、このアルバムを作るときに自分自身に与えたアドバイスなんだ。2つあって、ひとつは“リズムの大切さ”。もちろんギターを弾くんだけど、ドラマーの気持ちになってリズムというものを考えて体で感じて、ギターに生かしていくことが大事なんだと思った。もうひとつは“ギターを歌わせる”こと。だからシンガーとしてのマインドも必要なんだ。
―なるほど、ありがとうございます。では、そういったファンに手元をジッと見られながらの演奏はどんな気分ですか?
それってまさに自分がやってたことだから、リベンジされている気分だよ(笑)。子どものころに楽器をやりだすと、どうしてもそのひとつの楽器しか目に入らなくなる。絶対誰にもそういう時期があると思う。でも大人になるとまたひとつの曲として全体のものとして聴けるようになってくる。音楽を聴くといってもいろんな段階があるんだよね。
―では、ポールが子どものころはどんな様子でした?
ギタリストにもよるけど、僕の大ヒーローであるエディ・ヴァン・ヘイレンのコンサートがあったときは、まっすぐ家に帰って、いち早く練習した。ものすごく刺激されて、次の日学校があることがわかっていても夜中まで何時間も今見てきたことをやっていた。今回、僕のインストアライブを見に来てくれる人たちもそんな風に思ってくれると嬉しいね。
―ニューアルバムのお話をお聞きします。アルバムを完成させた今の心境を先ずお願いします。
実はこのアルバムはものすごく短期間で作ったものなんだ。こんな短い期間でこれだけの音楽を吐き出せたっていうのは、未だに信じられない。自分に対して「よくやった!」って誉めてやりたいよ。パフォーマンスに関しては昔からすごい楽しいし、自然な部分でもあるんだけど、作曲っていうのはある意味大きなチャレンジ。まっさらな白紙の状態からそこを埋めていくんだけど、毎回よくやった!って思うよ。
―苦労したことは?
最初にアルバムを作り始める前に半分遊びで今回やらなきゃいけないこと・やりたいことのリストを作ったんだ。もちろん「プッ」て笑っちゃうようなことも含めてね。立って弾いてピート・タウンゼントみたいに腕をグルグル回せるような曲を書こうとか、キッスみたいにロックしよう!とか・・・楽しいことを自分を励ます意味で色々書いたんだ。ただこのアルバムが完成して、ふり返ってみると、すごくメロディを大事にしたアルバムだなって思ったんだ。今まではメロディというのはヴォーカリストのためにあるもので、ギタリストはリフを弾いて、ソロをやるっていう固定概念があったんだ。このアルバムで完全にそれは断ち切ったよ。
―難しいとは思いますが、アルバムの中で一押しの曲は?
やっぱりバラエティに富んでいるからこそ、一曲を取り上げるのは無理なんだ。でも「ザ・ガーゴイル」みたいにまさにヘヴィ・メタルっていう曲もある。これでメタルファンは満足してくれるだろうって。これは自分も含むんだけどね。逆に「スイート・モダーレ」のようにドラムの入っていない曲があったり、70年代っぽいものもあるし・・・ありとあらゆるスタイルのものが入っているので、そういう意味でも楽しめるんじゃないかな。
―「ザ・ガーゴイル」のようなメタル・サウンドは自然に出てくるものですか?
ツアーに出るとすごく賑やかなんだけど、その反動で今僕が住んでいる家はとても静かなんだ。窓の外にはいっぱいきれいな風景があって自然と戯れることができる。そうなるとついアコギを手にとって静かな曲を書きがちになるんだ。だからそういう時にヘヴィ・メタルな曲を書こうと思ったら、イマジネーションを働かせないといけないんだけど、その曲をもってツアーに出ると本当に書いてよかった!ってこの曲はまさにそんな曲だね。
―ポールが影響を受けたヘヴィ・メタル・バンドは?
僕は80年代メタルの大ファンなんだ。ありとあらゆるヘヴィ・メタルの曲を聴いているんだけど、しばらく前にたまたま一曲だけ自分の思っているヘヴィ・メタルを定義づける曲はあるかな?って考えたことがあるんだ。そのときに出た答えがTNTの“レディ・トゥ・リーヴ”っていう曲。そんなに有名でもヒットした曲でもないんだけど、「これこそヘヴィ・メタル!」って思っているんだ。彼らにはもちろん今聞いても影響を受けるよ。
―今後、ポールが追求してみたいギター・スタイル(サウンド)を教えて下さい。
自分のギターサウンドに対する考え方は最近かなり変わってきてる。今回特にメロディをたくさん弾くということで、どうしても早弾き系のギタリストっていうのは最初から最後まで全部弾きがちになってしまう。でもメロディを際立たせるためには、たまには弾くのを止めて空間を大事にしないといけない。ただそれを歪んだ音で弾いてしまうと変に響いてしまって、止めたところも止まらない。そうなるとやっぱりクリーンな音を使うようになった。クリーンな音を使うっていうことは歪んだ音を出す時に、手と指の力で出さないといけない。これは一種の挑戦。今とても楽しくやっているよ。
―ありがとうございました。では今からリスナーから届いた質問に答えて頂きたいと思います。先ずは、「ギターを始めたキカッケは?また影響を受けたギタリストは誰?」
9歳の時に始めたんだ。最初はアコースティックギター。独学で誰も教えてくれる人がいなかったので、一弦しか弾けなくて・・・ずっと一弦だけでコピーしてたんだ。僕はジミー・ペイジが大好きだったからツェッペリンの曲を弾くことが多かったよ。その後チューニングの仕方とかコードの押さえ方とかわかって、だんだん世界が広がっていったんだ。やっぱりビギナーは先生に教えてもらうっていうのは大事かもしれないね。最初だけでもきっかけになればね。
―「シングル・ピックアップのギターを使うことが多いようですが、使っているピックアップの詳細を教えて下さい。また、今回のアルバムで使ったギターは何ですか?」
シングルを使いはじめたのは最近で、ずっとハムバッカーユーザーだったんだけど、メーカーはいつもディマジオ。最近好んで使っているのはシングルコイル。とてもクリアーなサウンドを持っている。逆にクリアーなのでコントロールが難しいこともあって、そこがひとつの挑戦でもあるんだ。ギターに関してはいつもポールモデルのPGM301を使っているんだ。それとアイバニーズのアイスマンというギターがあるんだけど、そのギターをパソコンを使ってデザインしたギターっていうのがあって、僕は「リバースアイスマン」とネーミングしている。今回それもよく使ったよ(笑)。
―「ギターのピックは何を使っていますか?またそれを替えるタイミングは?」
僕が使っているのはトーテックス社製のオレンジ色。確か0.73mmだったと思うんだけど、実はこれをリスナーにプレゼントしようと思って持ってきたんだ。今回にあわせてちゃんとサイのを作ったので、これがトーテックスなんだけど、今まで使ってたのよりちょっと薄めにしたんだ。薄いと弾くのは難しくなるんだけど、やっぱりこれで出せるトーンが違うんだ。一番ピックが痛むのはスクラッチをした時だから、スクラッチした後は投げるよ(笑)。
―「今、注目しているギタリストは誰ですか。」
去年G3をやってジョー・サトリアーニとジョン・ペトルーシーと一緒だったんだけど、毎晩3人のジャムセッションがあったんだ。まぁジャムセッションというのは名ばかりで実際はギターバトルなんだ。でもギタリストにとってそうやってバトルをするっていうのはとてもいい関係で、すごく彼らからも刺激を受けたから、思い浮かぶのはやっぱり彼らかな。
―「レーサーXのニューアルバムの発表、来日予定はありますか?」
正直なところ、今はまだちゃんとしたプランというのはないんだ。でもメンバーとは未だにとても仲が良いし、バンドも大好きだからチャンスさえあればやりたいなと思ってるよ。(予定が)ないとは言わないよ(笑)。
―「今後チャレンジしてみたい事を教えて下さい(音楽、またそれ以外)」
実は一時期日本語を習っていたことがあったんだ。それってある意味、音楽以上のチャレンジだったね。でもやっぱり何か新しいことをやるってなると、何かしら音楽に関係することになってきて、あまりにもギターでおなかいっぱいになると、例えばエンジニアとしての心得を覚えてみたり、違う楽器をしてみたり、気分転換はしょっちゅうするよ。やっぱりいろんなことをやってバラエティを持たせるっていうのは大事なことなんだ。
―「ミスター・ビッグの再結成の可能性は?」
僕の中ではミスター・ビッグの最高の部分は「過去」なんだ。すごくいいアルバムも作っていい活動もしたと思う。自分のやったことは全て誇りに思っている。だからよかった部分はそっとしておきたいね。今の自分が一番ハッピーだからね(笑)。
―いろいろ答えて頂きありがとうございました。では、最後にリスナーにメッセージをお願いします。
長い間、応援してくれたみんなに感謝しているよ。ふとこの間ファーストアルバム出したのって1986年だよ。もう20年以上経ってる!って気付いて・・・その間ずっとみんなが応援してくれたんだ。すごくありがたいと思っているよ。本当にみんなのおかげでまだまだこの仕事をやっていける、がんばろうと思う。そして今回のこのアルバムでまだ自分がギタリストとして進化しているってはっきり分かると思う。ただそれはみんなが判断することだから、ぜひ聴いて判断してほしい。良い!と思ったら絶対ライブに見に来てほしい。どの曲もライブ映えすると思うよ。
「咆哮!!」 IECP-10136
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