
5月の上旬から夏のお盆前ころ・・・有馬温泉に流れる川のそばで、耳を澄ませば聞こえてくる「河鹿蛙」の声。北側のきれいな川にしか生息しないというこの「河鹿蛙」。名前の由来は「鹿」の鳴く声に似ていることからきているのだとか。正直、見た目は決して美しいとは言えない感じ・・・色は黒くて、体長は4〜6センチくらい。しかし鳴く声は素晴らしく美しい。それぞれのオスが「この岩からあの岩までは僕のステージだ!」と言わんばかりに、自分の領域を決めて美声を競い合っている。鳴くのはオスだけ。メスへの求愛の歌声なのだそうです。
現在、有馬温泉を流れる滝川がコンクリートで固められてしまい、残念ながら情緒がなくなっていますが、かつて吉川英治が「水音(みなおと)は二階に高き河鹿かな」と御所坊の二階の部屋で句をよんでいます。残念ながら今、河鹿の声は有馬の中心地では聞くことが出来ず少し上流の自然が残る鼓ヶ滝公園付近で聞くことができます。近い将来、また温泉街の中心街に流れる滝川に、河鹿蛙が戻ってきてほしいと願っています。それには少なくとも今残っている自然を守ることが、この町に生活する私たちのつとめではないかと考えています。
有馬温泉の町の中を歩いていると色々な「音」が聞こえます。野鳥や虫の鳴き声、川のせせらぎ、温泉が噴出す音、炭酸煎餅を焼いている音、下駄の音、足湯につかる音・・・私はとくに夕暮れの時間が好きです。みなさんは最近、何かに心静かに耳を傾けたことがありますか?ぜひそんな「音」に出会いに有馬温泉に来て下さい。 問い合わせ先:有馬保勝会会員・森本正さん(森本畳店078−904−0670)